クリフが亡くなる直前の1ヶ月間は
いつ何があってもおかしくない状態で、
心休まらずまともに睡眠も取れない
日々が続いていた。
クリフを乗せたペット火葬場行きの車を見送り、
遺骨として帰ってくるまでの数日間、
もう介護をする必要はなくなったのに
まだ容体が悪化するんじゃないかと
精神的な緊張が続いていて、
思うように休むことが出来ずにいた。
そんな気持ちをやわらげるために
生前よくやっていたしぐさを描いて
クリフの遺影としたのが本作だ。
ここからはひとつひとつについて説するね。
「ケージで立つクリフ」
散歩にいく気配を感じると
ケージのふちに前足でつかまって
後ろ足でピキーンと立って様子を見る。
「ケージのなかで跳ねるクリフ」
散歩が確定と察知するやいなや
大喜びでケージ内で跳ね上がる。
両足とも完全に空中にあった。
「ケージにぶらさがるクリフ」
それでもなかなか散歩が始まらないと、
前足でつかまるのが疲れるのか、
ワキのところをふちにかけて
ぶら~んとぶら下がった体制になるのだった。
「覗きこむクリフ」
人がトイレやお風呂に入っているとき、
部屋で作業をしているとき、気が付くとドアの隙間から
上半身だけだして覗き込んでいるクリフがいた。
「クリフ座り」
普通にお座りするのは疲れるからか、
後ろ足を横にビローンと投げ出して
座っていることがあった。
うちではそれをクリフ座りって呼んでた。
「ウィンクするクリフ」
クリフがジーっとこっちをみているときに
こちらも視線を合わせてみると、
何故か片目ずつまばたきして、
ウィンクのようなしぐさをすることがあった。
「プラナリアクリフ」
地面にベターっと伏せた状態で、
目だけギョロギョロ動かして人間を追う様子が、
再生生物プラナリアに似ているので
このしぐさをプラナリアクリフって呼んでた。
「いざりクリフ」
便をしたあとなど肛門がかゆいのか、
よく床におしりをすりつけて
ズルズルといざるような行動をとることがあった。
ボーダーコリーは肛門まわりの毛が多く、
蒸れやすいのもあったんだろうな。
これらに色をつけ、クリフの写真をそえて
手作りの写真立て風にしたのがこちら。
いまでもクリフの遺骨のあるうちの祭壇に
この遺影が置かれている。
ところで、この写真立てには載せなかったが、
ほかにも追悼的に描いたイラストが存在する。
「ケージから出る毛」
クリフがケージの中で寝ている時、
金網の隙間から毛がぴょこぴょこ出ていて、
それにツンツンふれるのが好きだった。
「プシー」
やんちゃな犬だったのでイタズラもよくしていた。
コラ!と手をかざすと(叩きはしないが)
「プシーッ」と言って首を引っ込めたものだ。
大人になってからは落ち着いてきたが、
子犬のときは大変だった。
「ひっぱる」
散歩すると我先にと引っ張りすぎて
前から見ると斜めの体勢になっていた。
あまりに必死過ぎてよく笑われたものだ。
首だけで引っ張るものだからうっ血?するのか
散歩のあとは目が充血してたなぁ。
「ウラワザまき」
伊東家の食卓でやってたので
試しに実践してみたリードのウラワザまき。
これをするとあんまり引っ張らなくなるそうだ。
多少はマシにはなったけど、
それでも引っ張りまくられたなぁ。
これらのうち「プシー」と「ひっぱる」は
以後にリリースする
「ボーダーコリーのいる生活」
で採用されることとなった。