カピバラヤマアラシが極地で見た、
雲海から顔を覗かせる巨大な両生類型ドラゴンという設定だ。

今作では制作中のメモも取っていたので、
せっかくだから公開しようと思う。

まずは初期のコンセプトアート。
ずんぐりむっくりしたドラゴンが遠景にいる感じ。
これをもとに描いていくこととする。


まずは目下に広がる雲海。
雲海の描き方は事前に研究しておいたので、
制作テクのカテゴリーにて別記事にした。
→「雲海の描き方」


次に雲間から飛び出す岩。
もともと普通の岩のつもりだったのだが、
下書きの岩が意図せずクリスタルっぽくなってたのが
わりと気に入ったのでそのままクリスタルロックにした。


手前のクリスタルロックにはカピバラとヤマアラシを追加。
手間のかかりそうなヤマアラシのトゲは後で描くとして
とりあえずポジションとポーズを決める。


それからこの絵の主役である
雲海を泳ぐオーロラドラゴンのデザインだが、
イメージ画の段階で固まっていなかったので
ここで決めてしまわねばならなくなった。

ボツドラゴン01
初期イメージに一番近いタイプ。
普通過ぎたので他に考えてみることにした。


ボツドラゴン02
天に昇るような長いドラゴン。
迫力に欠ける気がした。


ボツドラゴン03
両生類というところを全面に押し出してみた。
顔はいいが体がアシカみたいになってしまった。


ボツドラゴン04
だんだん精神が病んできた。


ボツドラゴン05
首がなくて頭と胴体がそのままつながっている。
ポケモンのヌオーみたいだけどこれはこれで可愛いかも。


ボツドラゴン06
頭の触覚を短くしてみたが、
ムーミンに出てきそうで悪くない。
だけど巨大な感じはなくなったかも？


ボツドラゴン07
シーサーペントのようにくねらせてみた。
可愛いけどこれはちょっと違うな。


ボツドラゴン08
ずんぐりむっくりとしたドラゴン。


そしてようやくデザインが固まった。


はるか遠景にいるドラゴンは
線画をキチッとするよりは塗りだけで描いたほうが
良いと思ったので、デザイン線に沿って
ざっくりとシルエットを塗る。


それからドラゴンに影やハイライトをいれる。


ヒレの部分は消しゴムツールで軽くこすって
背景が透けるようにしてみた。


次に空のオーロラ。
フォトショの「ぼかし(移動)」を使って
カーテン感を出してみた。


最後にカピバラヤマアラシを描き込んで白黒絵は完成だ。


相変わらずヤマアラシのトゲは難関だなぁ。


最後は楽しい色塗り作業。
まず、カピバラとヤマアラシとドラゴンは軽く身体の色を付けておく。


それから夜景なので全体的に青系を乗せていく。


オーロラやクリスタルに差し色を入れて・・。


空が寂しかったので星をまぶしてできあがり。


カピバラたちとドラゴンの間に、すこし空気感を入れたつもりだったが
あんまり遠近感が感じられなかったのが今後の課題だ。
でも思ったより幻想的に仕上がって良かった。
青系のクールな雰囲気が、黒背景のとげ屋にもマッチすると思う。