「茶飲み恐竜」
宇治茶をすするステゴサウルスの獣人。
線画には「水墨ブラシ」を使って和風絵手紙っぽさを出してみた。
当時はジュラシックパークの乗り物が改装中で、
わたしたちが行くときにちょうど改装明けになるらしく、
USJの中ではいちばん楽しみにしていたのだが、
運悪く改装延期になってしまい、心残りのひとつとなった。
「ヒッポグリフ」
礼儀をわきまえる者を背に乗せ飛ぶ気高き動物。
くっきり線画と厚塗りを織り交ぜて描いてみた。
ヒッポグリフのジェットコースターは
竹籠っぽくてなんだかなぁと思っていたら、
木の陰にこっそりリアルなヒッポグリフのロボットが
ペコリとお辞儀する仕草をしていたのが良かった。
「ホグワーツ城」
おなじみホグワーツ城。
今回はUSJではなく映画のほうをモデルにした。
下描きのときは地味な存在だったが、
グリザイユ技法がハマってかっこよくできたので、
これをしおりの表紙とすることにした。
映画では壮大に見えたホグワーツ城だが、
USJは仕方がないとはいえこじんまりしていた。
いつかヨーロッパにいって、
本物のでっかいお城を見てみたいものだなぁ。
「伏見稲荷」
デフォルメキツネと重鳥居の伏見稲荷。
妖しい感じを出していくのが楽しかった。
外国人による日本の旅行スポット人気No1というだけあって、
伏見稲荷にはかなりの外国人がいた。
彼らはスポーツジムのように汗をかきながら
登るのを楽しんでいたようだ。
ふだん歩き慣れていないわたしにとって、
こういう歩きがメインとなる旅行は
体力的にきつくはあるのだが、
たまには異郷の地へ行くのは刺激があって楽しいものだ。
今回の挿絵でいちばん思い入れが強いのは
風景画のホグワーツ城である。
この絵はグリザイユ技法で描いたのだが、
すこしだけ、コツがわかってきたからだ。
例えばグレー画のときに明度が足りなくても、
色彩のときの色付けである程度明るさ調整できる、
ということに気がついて、
ほぼ任意の色を出していけるようになった。
また、塗りのときは
筆ブラシではなくエアブラシで色を重ねることで
独特な色の発色を表現できることもわかった。
今までグリザイユ技法で描くとき、
描きながら矛盾な想いを抱えていた。
「最初から普通に色つけたほうがわかりやすいけど
グリザイユ技法ではモノクロで描いてから色を乗せるって
書かれているからこういうふうに描かなきゃ・・」
みたいな。
いまは多少、慣れてきたおかげで
「この絵柄ならグリザイユ技法を使えば
こんなふうに表現出来るかもしれない」
みたいに技法として考えられるくらいにはなった。
その考え方の転換点みたいなのが、
今回のホグワーツの絵だったりする。
とはいえまだまだ未熟だからもっと
精進していきたいところだ。