最初「さるかに合戦」とか「桃太郎」とか、
サルが登場する物語から引っ張ってこようと考えたが
どれも微妙な構図しか浮かばず採用に至らない。
それならサルドラゴンとか深海サルとか
ファンタジーなサルはどうかと考えてみたが
イマイチぴんと来ない。
夏っぽい感じといえば
インドネシアの熱帯雨林に
ショウジョウと呼ばれるサルがいたなぁ
とうっすら考えるもうまく絵にできず。
上記の「インドネシアの熱帯雨林」という響きが
何となく気に入ったので熱帯雨林で画像検索してみた。
いざとなったら森のイラストをメインにして
そのモブキャラとしてサルがちっこくいてもいいかなとか。
で、検索しているうちにとある白いサルが目についた。
中央アメリカに生息するノドジロオマキザル。
頭の部分がカプチン修道会(キリスト教の会派)の
僧の帽子に似ていることからカプチンモンキーとも呼ばれるらしい。
この説明文で一気にインスピレーションがつながった。
アメリカ中央部にある人が立ち入らない秘境に
かつての聖堂だった廃墟がひっそりと佇んでいて、
住み着いたノドジロオマキザルの老神父がゆったりと
かつての失われた繁栄を夢見る。
南米の廃墟教会を背景にして
こんな感じ?
いや、こっち向かせたほうがいいか?
祈り棒代わりにバナナを掲げてみる?
おじいちゃん風は?
などなど色々考えたけど、
ゴチャゴチャ背景は描きたいものを潰すと思い直し、
もっとシンプルな構図に描き換えてみた。
これだと廃墟の教会な感じはあんまりしないがな・・。
それから牧師の白黒塗り。
斜め後ろからの光源を意識しつつ、
時間をかけて毛並み感を出していった。
描き方メモ→
「毛の描き方2」「毛の描き方3」
それから背景の窓枠をシルエットで描く。
台座とその装飾、聖書の白黒ぬり。
本を描くのって意外と難しいと思う。
大量の紙が重なってる感じが特に。
オーバーレイモードで
全体に茶色でざっくりと色を乗せる。
それから牧師を中心に差し色を入れていく。
最近のわたしの絵はレインボーだなぁ。
仕上げに光の柱を落として完成。
背景が少し寂しい気もするが、
牧師の存在感はしっかり出せたとは思う。
毛を描いてて思ったのだが、
きっちり全ての毛を描ききらなくても、
輪郭の境目などの要所を押さえていれば
それなりに毛っぽくなることがわかった。
描きすぎないことが、
逆に肩の力が抜けている感じで良かったりする。
わたしは肩に力が入り過ぎてしまうところがあるので、
意識的に力を抜く場所も作って
メリハリをつけるのも大事と思う。
◆2016年カレンダー◆
2016年1月~2月「カピバラ温泉とサルたち」
2016年3月~4月「都会派キツネザル」
2016年5月~6月「コスモンキー」
2016年7月~8月「オマキザル牧師」
2016年9月~10月「悪魔アイアイ」
2016年11月~12月「イエティサンタ」