羊って落書きだとそんなに難しくないんだけど、
厚塗りで立体感や質感をリアルに表現しようとすると
ぺたんとしたゴム人形みたいになってしまって
意外と難しいということがわかった。
個人的に動物の絵を描くことが多いので、
毛の表現については今後も精進して行きたいところだ。
また、今回からグリザイユ画法という塗り方を
取り入れてみることにした。
当時デジ絵にはようやく慣れてきたころだったが、
塗りと仕上げがいつも気に入らなくて悩み、
MdnやTouch、メイキングサイトなどを見ながら、
自分の趣味に近い塗り方を探していたころだった。
そんなとき、塗りが綺麗で気に入った作者の多くが
まず白黒で描いてから色を塗っていることに気づいた。
調べてみると、それはグリザイユ画法といって、
色付けと影付けをそれぞれ独立して作業できるので、
色がごちゃごちゃしがちなわたしには、ピッタリな感じだった。
何より幻想的な仕上がりになるところが気に入った。
やり方はなんとなく分かったのだが、
実践ではまだまだ使いこなせるレベルではなかったので、
まずは少しでも上達の機会をと思って、
今回のカレンダーで導入してみることにしたのだ。
そんなこんなで完成した2015年カレンダーはこちら。
1月~2月「ひつじ雲テイマー」
3月~4月「牧羊犬の昼下がり」
5月~6月「散髪ひつじ」
7月~8月「海ウシと海ひつじ」
9月~10月「死神ひつじ」
11月~12月「Merry's Xmas」
ここからは思い出話になるが、
これを描いていた2014年の夏、
可愛がっていたわが家のボーダーコリーが大往生し、
実生活では大きな変化が立て続けにおこり、
精神がかなり不安定な時期だった。
「今年は気力もないし、落としてしまおうか・・」
などと考えたりもしたが、
今まで続けていたことを辞めることで、
失った犬や生活の記憶や繋がりまで
全て断ち切られてしまうんじゃないかって気がして
振り切るように必死でパソコンに向かった。
エンジンがかかるまでが大変だけど、
一旦集中するとネガティブな気分を忘れられるから、
結果的には良かったのかもしれない。
現実逃避かもしれないけど、
少なくとも立ち直るまでの時期を
乗り越えるだけの緩衝材にはなったと思う。